6月21日(木)午後
午後からは,レンタカーでエコビレッジの取材に行った。エコビレッジとは…
自然の力を利用して,自給自足的な暮らしをしている人たちの集落である。
コペンハーゲンから車で1時間ほど走ったところにある。
ここがエコビレッジへの入り口。
村の地図。
最初にエコビレッジのものとなった建物。伝統的な農家を買い取った。1990年のこと。
村の場所を決めるのには,いろいろ条件があったそうだ。
まず,変わった形の建物をたてることになるので,その許可を得られること。
排水処理施設なども規制がからむ。
コペンハーゲンから,ゾーン切符でこれるぎりぎりの距離内というのも条件だった。
今では,幼稚園などとして使っている。
村には,5つのタイプの省エネ住宅がある。
案内をしてくれたマチルダさんの家。サンルームが広い。
太陽光パネルとサンルームで家を暖める。
家全体が丘に埋まっている。なんだかナウシカの巨身兵のような形。
こういうのは,独自のデザインすぎて,許可をもらうのが大変らしい。
太陽光で水を温める装置が屋根の裾に並べられている。
ドーム型の住宅群。保温効率を考えてこうなってるとか。
道路によしの束がつんであった。こんなのどうするんだろうと思っていたら…
よしで屋根を葺いた家がある。ちょうど建設中だった。
デンマークにもよしの職人がたくさんいたらしい。
でも,日本と同じで最近は数が減ってきたそうだ。
日本の屋根より傾斜が急なので,葺き替えの回数は少なくてすむと行っていた。
中はこんな具合。木で組んである。
日本家屋みたい。
このパイプは?ビールの醸造設備の一部に見えるけど,実は床に埋め込むヒーティングのパイプなんだと思う。
屋根に芝を植えてある家もある。これも保温を考えてのことだ。
片隅に,銀色に輝く小山があった。何かと思って近寄ってみると,ムール貝の殻。
貝塚でもあるまいし,これをどうするのか聞いてみたら,やはり建材。
床下に敷き詰めるらしい。これで空気の層ができて,保温効果抜群ということだった。
貝殻は,近くの食品工場からもらってくるそうだ。
■排水処理施設
村で出た汚水は,片隅にある丘の上に上げられて,この浄水槽に入る。
そこから,5段階の濾過装置を通って少しずつしたに降りていく。
一番下の浄化槽。
ここまで来ると,汚水は相当きれいになっているらしい。
村の人たちは,それを作物を育てるためにまきたいそうだが,なかなか規制があって難しかったそうだ。今は,了解が得られたとか。
村の向こうには,風車がたっている。これは村でたてたもので,年間に84000KW発電する。
村人の人工は約100人で,電力が余るので売っているということだ。
風車は軸の高さ35m,翼の長さ18mで,それを加えると50mの高さになる。
寿命は20年はもつということだけど,もっともつかもしれない。
建設費は,10年でペイするそうだ。
エコビレッジには,東海大学ヨーロッパセンター所長夫人の高橋さんも同行されていた。
コペンハーゲンへの帰りに,センターにうかがった。
東海大学ヨーロッパセンター
対岸にスウェーデンを望む海岸に建っている。
中には天井まで届く図書室がある。知的空間の心地よさを感じる部屋だ。
海を望む庭でしばし休憩。
すっかりご満悦の生田先生。
庭から階段をおりると,船着き場がある。
昔は船を持っていたそうだが,今は手放したとか。
ここから右手数軒先に,ラウドルップの家があるそうだ。
海岸でも手放さないのは…(^o^)
遠くにスウェーデンの風車が見える。
シェラン島の先にあるクロンボー城も見えた。ここはハムレットの舞台になったらしい。
写真は,向こうから,生田先生,高橋所長,山内君。
庭には,この草が。
明日葉のようなものらしくて,奥さんがお浸しにしてくれたものをいただいた。
なかなかいける。
でも,デンマークの人は食べないそうだ。
学長室ものぞかせてもらった。
そこには,ハルシュタット遺跡の本があった。
ハルシュタットは一昨年のドイツ調査の際に行ったので,思い入れ深い。
センターには,歴史的な調度品がたくさんある。なかなかいい感じの銀の燭台。
名のあるデンマーク人デザイナーによる照明。
同じく照明のシェード。
戻る