6月23日(土)
AER0E(エレ)島の発熱プラントに取材にいってきた。
コペンハーゲンから車で1時間30分ほどでフュン島にあるSvenvoug(スヴェンボー)という港に着く。
写真は,そこにあるホテルエレ。
ここからフェリーに乗って70分でエレ島のAeroeskoebing(エレスケービング)に到着。着いたところに,小さな造りだけど,色彩豊かでとても綺麗な家並みがあって驚いていたら,17世紀の街並みが残っているという話。
そこから程近いところに,下の写真の建物がある。
こここは,太陽熱でグリコールを暖めて,それを水に熱交換したものを村全戸に送り出す工場。
案内をしてくれたのは,休日返上で待っていてくれたJan Chrischansen氏。
本来は月曜日〜木曜日勤務で,いつもは4人で操業しているそうだ。
この人は,風車組合の副組合長でもある。
この工場は,彼のもの。
事務所には4台のコンピュータが設置され,プラント全体を監視している。
図のコンピュータでは太陽光発熱の量が,定期的に自動で記録される。
■麦わらによる発熱プラント部
赤いのが装置の全体を示す図。要所にはパイロットランプがあって,異常事態を知らせるようになっている。
小麦収穫後の麦わらは,このように固められる。これ1つで500Kg。だいたい45分で燃える。
麦わらの保有水分量を測定している。
"D"マークは,水分量が多いので,昼間に燃やすということだ。
巨大なUFOキャッチャーでわらをつかんで,赤いコンテナに載せる。
隣の部屋に行くと,コンテナの反対側にも赤い箱があって,ここから燃焼室にわらが送られる。
わらによる発熱は,この工場が作る熱量の67%を占める。
■太陽熱パネル
工場の敷地には,写真のようなパネルが一面に並べられている。
発電ではなくて,中の水を温める。
写真のパイプを通って,熱水が循環される。
パネルの裏側は,以外に簡素。
このパネルはARCONという会社のものだが,初期費用が高くて,全然ペイしないということだ。
■チップによる発熱
3つ目の熱源は,木くずを固めたチップ。ここからチップを投入する。
チップは,写真のように円筒状になっている。
チップが貯められる箱の裏からは,赤いベルトコンベアが出ていて,工場内にチップを自動搬入する。
工場に入ってきた赤いベルトコンベア。
チップは釜の中で燃やされる。
チップの燃えかすは,灰としてこの袋の中に貯められる。
排煙は,図の箱の中で,フィルターを通って浄化された上,排出される。
■統合
3種類の熱源から来る熱水は,このパイプの中で一緒になって,常時90度弱の熱水になるように自動的に調節される。
各家庭には図のような利用熱量測定器がついていて,それに応じて料金を支払うシステムだ。
家庭では,セントラルヒーティングには,そのまま熱水を使い,風呂など直接人間に触れる水には,水道水をそれで温める熱交換をして利用する。
クリスチャンセン氏の後の箱が,家庭にある熱交換機。
まあ,湯沸かし器のようなものだと思っていいでしょう。
家庭に着いた測定機。
この工場全体が,3年で元を取れる(太陽熱パネルを除いて)ということだ。
家庭での熱量対価は,電気で同じ熱量を使うときに比べて,かなり安いらしい。
これで,村の全戸(約350戸)に熱水を配っている。
■風力発電
エレ島にも,発電用の風車が立っている。ここはちょうど飛行機の翼のような形になっていて,その上を風が流れるため,風車がよくまわるそうだ。
一面に広がる草地や…
麦の畑の中をしばらく走ると…
海岸に出た。でも,方向がわからないので,どの海岸かは不明。
遠くに見えるのが,風車。そこに向かって,海岸を2キロほど歩く。
放牧されていた牛が7頭ほどよってくる。
そばまで寄ったら,こんな感じ。少し旧型の風車でした。
■マースタル
帰りの船は,エレスケービングではなく,マースタル(Marstal)というところから出る。
あまり便がなくて,1時間ほど町を散策することになった。
町にはこんな感じの家が並ぶ。
ここを通ったときに,反対側の垣根から,鳥の雛を加えた猫が飛び出てきた。
それを追いかける2羽の親鳥が続く。
ちょっとした騒ぎになったところで,写真に写っているおじさんが,手にしている箒を振り回して,彼らを追い払ってしまった。どうなるかみていたかったのに。
ととのった街並みが続く。
カフェで休憩する奥西さん(NHK)と稲垣君。
この不思議なものは,実はソフトクリーム。
コーンに対して,クリームが多すぎ。
トッピングのチョコがおいしくない上に,溶けてきて食べるのに往生した。
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