メルボルンでの学校訪問


今年の夏は,ゼミ生たちとCarey Baptist Junior School(私学)に行ってきた。
今回は公立の小学校の様子を観察できた。


Apollo Parkways Primary School
メルボルンの北東,車で60分ぐらいの所にあるApollo Parkways Primary Schoolが調査校。
時期は,第4学期=学年の終了間近で,よく訪問を引き受けてくれたと思う。
校長の説明では,生徒数役760名,内30%ほどが校区外からの通学。学校選択制だ。
メルボルンのnavigate schoolでもありAppleからの支援を受けるApple Schoolでもある。
ICT利用だけでなく,授業方法にも傑出したものがある。
職員はパートも含めて50名。内,専任が5人
(音楽,美術,図書,イタリア語=LOTE;Language Other Than English,体育)
リテラシーにも力を入れていて,Corrective Writingなども実施。
年間に1200人もの訪問者が視察に来るという

the other side of school
学校はゆるやかな起伏のある閑静な区画にある。
まわりはたくさんの緑の丘に囲まれていて,良い環境。
学区には,かなり大きな家が建ち並ぶ一等地。

thinking tool
この学校は,各学年で重視するThinking Toolsというものを決めている。
ちなみに2年生では,Bloomのタキソノミー,PMI=Plus-Minus-Interesting,Hats,Learning Center Cards, Thinkers Keys, Multiple Intelliginces, Venn Diagrams, Concept Mapsがあげられている。

thinker keys
[Thinkers Keys]
調べ学習をすすめる時のキーワードを示している。
「種類」「条件」「影響」「適応」「意味」「構造」などの単語が鍵の形のカードに書かれている。
こういった単語をもとに,調べたりまとめたりしていくのである。

thinking hats thinking hats2
[Hats]
6色の帽子それぞれに,
赤=感情,黄=良い点,黒=欠点,緑=創造,白=情報,青=考えの整理,という対応。
それぞれの帽子をかぶって,アイデ アを出して整理するEdward de Bonoの方法に基づいている。
でも,この学校なりのアレンジもありそう。右の写真は,赤=現在,白=過去,緑=可能性,黄=確率,青=予想,オレンジ= イマジネーションというような割付で,
「出来事」「状況」「選択」「人」「理由」「手段」を考えさせるためのマトリクス。

reflection cube
[Reflection Cube]
さいころの展開図の各面に,対象について6つの角度から考えたことを書く。
上のThinking Hatsと同じ効果かな。
さいころの場合は,面をそろえて積み上げると,全員が書いたことが一覧できる。

Plus Minus Interresting
[PMI]
物事のプラスとマイナスについて記述して,自分自身の興味についてまとめる形式。

Ben Diagram
ベン図で考えをまとめているけど,一緒に絵が描いてある。
これはおもしろい。

Intellectural Behavior
知的な行動の特徴について,カードで掲示。

Questions
エネルギーについてのさまざまなクエスチョン。

Modern Olympic
近代オリンピックについて調べてまとめた模造紙が,天井に貼られたワイヤーからつり下げられている。

Bag
自分についてを表すものをラッピングしたバッグ。
自分を見つめる学習は,どの学年でも行われていて,それをまとめる形式も多様。

mind
心とは…というテーマでのまとめ。

4 views
「どう感じるか」「臭いは」「音は」「どのように見えるか」という4つの項目から 読書のまとめをするワークシート(だと思う)。
ワープロで打ったものを貼ってある。
チェックマークは,教師が見てOKを出した印。

problem solving problem solving
問題解決の流れを示す掲示も各所にある。
(1)問題をよく見て理解する→(2)計画を立てる→(3)やってみる→(4)チェックしてふりかえる
あたりまえのことだけど,常に見える所に貼ってある。
右のカードは子どもの名前。 これをどの段階に進んでいるか,貼っていく。

classroom
どのクラスも基本はグループ学習形式。個人作業もこの形。
1時間全部が一斉授業ということはなく,教師からの説明やちょっとした質疑応答と,
個人やグループ,二人の作業やディスカッションの組み合わせで授業が進む。

digital portfolio digital portgolio
それぞれの課題は,教師のチェックを入れられた後,パソコンにまとめる場面もある。
デジタルポートフォリオはあたりまえ。 コンピュータは,4人に1台の割合。