Ed-Media2006 in Orlando

25日:移動(写真がないので,しばらくはお話だけ)

恒例のEdMediaは,去年に続いてアメリカ大陸だった。Orlando。ここに出張で行くと言うと,結構勘ぐられる。テーマパークだらけのリゾート地。その中のリゾートホテルで,EdMedia2006は行われた。

これに向けて,伊丹を6月25日に出発。成田乗り継ぎで,ワシントン・ダラス空港経由で,Orlandoまで行く。20時間弱の旅のはず。

いやぁ,チェックインで驚いたね。出したパスポートにかみさんの写真が!間違えて持ってくるとはね。あわてて電話をして,持ってきてもらうことにした。ぎりぎり10分しかない。でも,到着までには15分かかった。自分のを手に入れて,カウンターに走ったら,なんとか間に合ったし,荷物も流れた。出だしからトラブルだった。

成田の第1ターミナルは,新しくなってとてもグローバルスタンダードに近づいたように思う。ショップやロビーの質が高いことが国をアピールすることになるから,これはとても大事。出だしでつまずいたけど,乗り継ぎに関しては難なく通過。

寝てしまっていたので知らなかったけど,どうやら少し遅れて離陸したらしい。そして,ワシントンへの到着も20分遅れた。Orlandoまでの乗り継ぎが,約2時間。荷物をピックアップしてリチェックインする必要がある。間に合うか…。

ご存じ,アメリカへの入国は,今は大変。とても長い入国審査の列について,少しいらつきながら待っていた。40〜50分並んでようやく審査。やりとりはすんなり終わって,指紋と写真をとられて無事入国。同行していたまこを外で待つ。同じタイミングで並んでいたのに,最終的なブースがちがって,だいぶ遅れた。係員によって,スピードが全然違う。そしてBaggage Claimへ。荷物はすでにベルトからおろされて,並んでいた。

荷物をとって,リチェックイン完了。それから国内線への手荷物検査。ここでも並ぶ並ぶ。また1時間ほど並んで通過。Cゲートに行くバスにのる。この時点で離陸まであと3分。…というわけで,バスの移動中に乗るべき機材が飛んでいってしまった。さあたいへん。

次の便にのらなくちゃ…ということで,まこがスタンドの女性に場所を聞く。「Customer Serviceがあっちにある」ということなので,そこに行く。20人ほど並んでいる。列のうしろに着いた。この列の進みが遅い!まわりにはOrlando行きを逃した人たちがいっぱい。前の方には徳島大のY野先生門下の方たちが3人並んでいる。列に並びながらわかったことは,どうやら今日も明日もOrlando行きは満席だということだ。キャンセル待ちをいれなければならない。それにしても,サービスのデスクは5つあるのに,係員は2人しかいない。この状況を見たら,何とか改善しようと思わんのか…?。ここはロシアか…などと,いわれのない愚痴をいいつつ,待ちに待つ。2時間ほど並んで,ようやく順番が来た。

「次の便は15:15。多分乗れるわよ。」ということで,ほっとしながらゲートC17に行ってみる。もう30分前だった。搭乗カウンターのまわりには,キャンセル待ちの人がいっぱいいた。ここで,日本からの機内で一緒だった函館みらい大のT田先生たちお二人に再会。Customer Serviceでは見なかったので,どこで手続きをしたのか聞いたら,Red Carpetラウンジだということ。そうかぁ,そこでできたのか。それなら,並ばなくてよかったのに…。

3時を過ぎて,順番に乗れる人がわかってくる。T田先生たちは,かなり早くOKになった。「また向こうで…」と言って見送る。僕だけ乗れることになっていた。さすがにそういう訳にもいかず,辞退する。そして,僕らと一緒にならんでいた家族4人のうち2人,子どもだけが乗り込んだ。そのあたりで終了。この便には乗れなかった。緑のフットボールシャツを着た人が,「nasty, nasty」となじっていた。気持ちはわかる。みんな,気持ちは荒れている。

次の便には乗ろう,ということでRed Carpetに行って登録。4時50分の便を待つことになった。そこにANAのワシントン支局の人たちが来てくれた。ちょっと心が和む。今度はのんびり時間を過ごす。4時半ごろに搭乗カウンターに行ってみた。乗れる人が発表される。また,僕だけ行けるそうだ。実は,日頃どれだけANAに乗っているかが効いている。ここでもキャンセル。観察しててわかったことは,3時のキャンセル待ち後,UAのマイレージメンバーになった人たちが,まこより上の順位になっていたということだ。さっき登録したときには僕の次の順位にしていたのに,その後まこよりprestigeの高い人が間に割り込んでくる。結果的にまこの順位は29番。そら乗れんわ。

今度はANAに電話をして,まこのマイレージカードを発行してもらい,その番号を登録。これで,まこのキャンセル待ち番号が9番目から5番目に上昇。次の便は8時40分。そして…ついに二人分のチケットをゲット。ハイタッチものだったなぁ。

でも,話はここで終わりじゃない。外は雷雨で,Orlando行きの飛行機が入ってこない。隣のボルチモア空港で待機・給油中なんだそうだ。掲示板のDeparture Timeが9時半になり,10時をまわり…。どんどん下がっていく。途中でサイトANAの職員さんが現れて,一緒に待ってくれる。ここまで一緒に残ってしまったO本先生,H川先生たちも合わせて,我々を見守ってくれていた。

ついに,11時をまわって飛行機が入ってきた。O本先生,H川先生のチケットも出た。そして,11時40分,ANAのH部支局長,U松さんにお礼を言って,搭乗。機内でO本先生の座席がダブルブッキングだったりするトラブルがあったものの,ついにOrlandoに到着した。夜中の2時半。31時間の旅だった。

26日

当然のことながら,朝はゆっくりだった。12時にフロントでまこと待ち合わせ。遅めに起きてからゆっくり風呂に入って,荷物を整理したりして過ごす。学会誌の査読がたまっているので,少し進める。

12時に降りていくと,すでにまこが待っていてくれた。ホテル内のレストランで食べようと思っていたけど,近くのアウトレットに行こうということになった。ホテルから30分ほど歩くらしい。地図をもらって,出発。

でも,アウトレットにはつかなかった。最初の曲がり角で,反対にまがっちゃったらしい。「地図を見ろ!」ってんだな。それでも20分ほどかかって,中華レストランとかスーパーとかがある区画に到着。それまでの道で,とてもかわいい花を発見。Subwayがあったので,そこで食事をした。結構大きなパンだったことを忘れてlongのサンドイッチを頼んでしまったら,30cmほどのパンが来た。でも,これが食べられちゃったんだな。空腹だったようだ。


撮影:まこ

撮影:まこ

ホテルに帰ったのは,3時ごろかな。学会の受付をした。兵教大のN田さん,滋賀大のS木さんに遭遇。無駄話。…それから今日到着のK井さん,T嶋君が到着するのを待つ間,6時からまこの発表リハーサルをすることにして,しばらく休養。部屋で査読の続き。

スクリプトのチェックには,結構時間がかかった。いつの間にか7時半をまわって,そろそろ8時。今回の学会で一番頭を使ったのが,この時間。そのころ,K井さんから電話があった。ホテルに到着したとのこと。彼らは乗り換えに問題はなかったものの,荷物がなかなか出てこなかったらしい。侮り難し,アメリカの空港!

部屋を教えたらすぐ来るかと思っていたら,実は別のホテルだったようだ。しばら〜くしてから,ようやく二人が到着。もう一人,I垣君も間に合えばよかったのだけど,4人でホテル内のTradewindというレストランで食べることにした。それぞれ,スープとメインディッシュを頼む。それにしても,アメリカの食事はとてつもなく多い。それぞれのdishにボウル一杯のサラダが付いてくる。とても食べきれず,残ったものをI垣君用にlunch boxに詰めた。K井スペシャル。

部屋に帰って,買い出したビールとワインを飲みつつ,I垣君を待つ。ようやくみんな揃って,一安心。

27日

朝ごはんを,学会のティーブレイクですます。ドーナツだった。…で,おもしろそうな発表に限って聞きに行く。それ以外は,部屋に帰って,査読の仕事。

まこのpresentationは,3時ごろの枠。さすがまこ。立派な発表だった。presiderが癖のある人で,はじめにみんな15分ずつ話して,最後にまとめて質疑応答という進め方だったため,ともかく15分で切らなければならなかったし,大変だったと思う。ごくろうさん。

ところで,ホテルはすごいことになっている。十数階建てで,ロの字型。中庭部分は吹き抜けで,そこにはガラスの屋根がかかっている。だから,冷房が良く効いて,30度前後の外の暑さと関係なく,中は寒い。そこには,鳥小屋があって,ワライカワセミなどがいる。これが啼くと,やかましい。


中庭の天井

ワライカワセミのいる鳥小屋

2階のラウンジ

夕方,フロントの前で,到着を待っていた静大関大大学院のI塚さんに出合う。ほどなくNIMEのH田さん,富大のT橋君も到着。夕食を豪華に食べることにして,ホテルのAtlantisに行った。昨日を教訓に,前菜をちょっとだけ…と思ったら,「少ないよ」とのこと。「Tradewindとは違う」んだそうだ。…それでも,メインディッシュは大変。ラムチョップを頼んだら,たっぷり肉の付いたのが4本のっていた。2本でもう飽きてくる。隣にいたT橋君のKurobutaチョップと交換。アメリカの皿も侮り難し(何度来ても思う)。

28日

この日のキーノートスピーチは,オーストラリアからのJames Dalziel氏。タイトルの“Learning Design: The Birth of Open Source Teaching?”に惹かれて行ってみた。学習活動を系統化するために,グラフィカルなインターフェイスを利用するという。ここでデモを体験できる。e-ラーニングのコースを流れを意識しながら作るにはいい。でも,学習活動の中身をつくるのまでは助けてくれない。当たり前か…。

朝食は,ベーグル。昨日のドーナツとちがって甘くなくておいしい。

ところで,今回の学会でおどろいたのは,多くの発表のネタがゲームだったことだ。昨年はそんな傾向はなかったように思うんだけど…。ゲームのシナリオに,学習活動や学習内容を埋め込むというのは,結構むつかしいんじゃないかなぁと思いながら聞いていた。

午前のセッション終了後,i-Rideという循環バスにのって,この前行き損なったアウトレットまで行ってみた。NIKE,Timberlandなどのアウトレットが集まった巨大店舗群。いくつか回って,MIKASAという雑貨屋で若干買い物。Food Coatがあって,そこでアジアンフードの寄せ集めを買ってまことシェア。


撮影:まこ

この日はポスターセッション。例年2日間あるのに,今年は1回だけ。K井さん,I垣君のポスター発表だった。

発表を聞く合間にやっていた査読が終了。教育工学会のを2つ,教育メディア学会のを1つ仕上げた。

夕食は,京都外大のM上君,I垣君,T嶋君,K井さんにまこの6人で,初日に見つけた中華レストランへ。いろいろとって,青島ビールに,紹興酒も飲んだ。まあまあだったけど,問題はどれも同じ味だったこと。すべての餡が,茶色かった。


撮影:まこ
29日

キーノートスピーチは,本気でゲーム話。なんてったって“Designing Videogame-based Learning Environment”。もうわからん。

今日のティータイムの朝食は,バナナブレッドって感じかな。再び甘し。

この日の収穫は,“Teaching for Learining Rather than Learning from Teaching: A Model of Multimodal ICT Project-Based Learning”。シドニーの学校の先生たちの発表だった。発表後,コンタクトをとることができて,大満足。今度,訪問してみよう。

今日から,もってきた原稿書き。帰国する日までに書かないと…。午後から一つ発表を聞きにいったけど,“An Assessment of Learning Through the Use of a Constructivist Learning Environment”というタイトルの発表が,やっぱりゲーム話。これは,ちょっとゲームについて調べてみなければなりませぬ。

3時ごろから1時間ほど,気晴らしに泳いでみた。プールサイドには,学会で見た顔がちらほら。今年の学会は,出席数があまり多くない。みんな,いろんな所に行ってるらしい。そういえば,K井さんたちも見あたらん。…夕食前の一仕事,原稿が40%できた。

夕食は,M上君,I塚さん,まこの4人。他の人たちは,夕食時に顔を見せず。学会受付においてあった割引クーポンに載っていたタイレストラン「Thai Thani」。門構えも,店の中も,とってもタイ!

タイ料理と言えば,トムヤムクン。3辛を頼んだ。I塚さんは,ココナツのスープ。ビールはシンハ。その他に野菜料理,肉料理,イエロー・カレー。全部○。結果的に,今回の食事の中でのthe bestだったように思う。

シンハビール(撮影:まこ)

いろんなスープを前に(撮影:まこ)

このスープは何だったっけ?

ディッシュたち。手前はパッタイ。(撮影:まこ)

店内は,とってもアジアン。

トイレにも仏像が…
30日

最後の日。今日は1日,ケネディー・スペースセンターに行くことになった。その前に,1度ぐらいは…ということで,ホテルのブッフェで朝食。久しぶりに卵料理を食べた。自分でとるので量も問題なし…と思ってたら,まこが頼んだコックの誕生日記念スペシャルオムレツ(誕生日だと聞きつけて,スペシャルを作ってと頼んだらしい)が後からやってきた。

バスが来た。近くのホテルまで行って,大型のバスに乗り換え。二段ロケット。

フルアクセスのチケットをもっていた僕たちは,まずは宇宙飛行士の殿堂に。ここで1時間。「時間を無駄にするな。1時間たったらバスがでるぞ。置いて行かれたら,交通機関はないぞ。土産物は,同じのが同じ値段でセンターにあるから。」とバスの運転手に脅されて,駆け足でまわる。4G体験をしようと思って並んでいたら,時間切れ。ぎりぎり火星探検車に乗り込んで,4分間のライド。バスに帰ってみたら,僕らが1番。若干遅れ気味で,宇宙センターにもどった。殿堂の魅力は…ちょっとしたアトラクションがあることかな。その後のものの方が,ずっとインパクト多し。


宇宙飛行士の殿堂

宇宙飛行士たち(撮影:まこ)

宇宙船にのるまこ

出口でT上君と。Slender気分。(撮影:まこ)

Dip Ice。入れ物が宇宙帽。

余ったパンをfeedしていたカラス。(撮影:まこ)

昼食をスタンドのプレッツェルで簡単にすませて,T橋君のおおせの通り,宇宙センターではまずシャトルに乗る(スペースシャトルじゃなくて,バス)。これで,発射台を展望できるところに行ける。ちょうど翌日の午後3時48分に1年ぶりのシャトル(バスじゃないよ)の打ち上げだったので,今日はカバーがはずれていて見られるということだった。

展望台では,一度シャトルバスを降りる。3階に上ると,発射台があった。シャトルが見えないじゃん…!とか思いながら写真を撮っていたら,別の方角に,あった。間抜け。

Apolloの打ち上げは,僕にとって同時代性の高い出来事だった。小学校のテレビで月面着陸の模様を見たことも覚えているし,グリコのアポロの発売も記憶している。「三段ロケット」なんてのも流行った言葉だ。あちこちで見た映画や展示物で,そこに至るまでの長い道のりについて,それからこの試みのとてつもない規模・力づくのテクノロジー(コネクタとかケーブルとか,やぼったいんだもの)と,逆に宇宙飛行士の「人間であること=mortallity」のギャップを強く感じた。ともかく,すごい国だ。


シャトルの組み立てセンター(撮影:まこ)

シャトルをじわじわ運ぶトレーラー

展望台にあるサタンロケットのエンジン

遠くに見える発射台…シャトルはどこ?

こっちが本物。発射寸前。オレンジ色のExternal Tankが見える。

故障で50cぼられた望遠鏡。(撮影:まこ)

アポロセンターでは,サターンロケットを横に倒して展示してある。下の方から順々に見ていく。接続部のメカニズムには,エキサイトした。そして最後のコマンド・モジュールも。

アポロセンターからVisitor's complexにもどって,IMAXシアターに直行した。出し物は2つあって,僕らのは宇宙ステーションの映像だった。これもなかなか面白い。


Apolloセンターでのアトラクションで,発射直前現場のシミュレーション。

サターンロケットの展示

サターンロケットの展示

月の石に触れる。(撮影:まこ)

IMAXシアター入場前。(撮影:まこ)

日本へのフライト。T橋くんのリサーチに寄れば,新造船で日本から来た帰りの2回目のフライト。新車の臭いがした。(機内で件の原稿が完成。機内無線LANで出版社に送信。すご!)

ともかく,掛け値無しに面白い場所だった。

最後の夜は,H田さん,I塚さん,T橋君,M上君,まこの6人で,印度料理のPassage to Indiaに行った。サモサにカレーにナン。まこにたしなめられつつ注文したものの,やっぱりとりすぎた。大量のナンを残して,Orlando Tour終了。

翌日,ワシントンの空港の乗り換え時に,ANAのH部さん,U松さんが見送ってくれた。とても懐かしかった。来年のEd-MediaはVancouver。11月の〆切まで,精進しよう。

最後に,原稿を書いたO野君,発表したまこ,ごくろうさまでした。