<7月22日(日)>
午前中,仕事。昼前から,初めてフランクフルトの動物園に行ってみた。思っていたよりずっと面白かった。たまにこういうところに来るのもいいものだ。しかし,光を落とした部屋の中にいる動物がたくさん。これをどうやって見つけて,どうやって捕獲してきたのだろうと,妙なことに感心してしまった。よほど目をこらして,それでも相手が動いてくれないと全く見えない部屋がいくつもあるのだもの。しかも,動きがすばしこいし。 その後,中1生を連れているというのに,Ebbelwei Express(リンゴ酒列車)でフランクフルト周遊もしてみた。これも初体験。乗り場は動物園前。しかし,乗るのが大変。発車の15分前にはかなりの人がもうベンチに座っていた。2両編成の小さな路面電車なので,乗れるかなと思っていたら,ありがたいことに,2両目の前扉が目の前で開いた。前に1組。続いて乗り込もうと思ったら…もうびっくり。後扉からの客の出足が早くて,もう出入り口の際の1席しか残ってなかった。そこにC聡を座らせて,かみさんと立ち乗り。出入り口のそばで,なんと,ドアを閉めずに走る。 座った椅子の横には,リンゴ酒のカップを入れる穴が6つ開いたテーブルがある。なかなかいい雰囲気。アップルワイン1本とアップルジュースを2本頼んだ。これにはプレッツェルが1袋ずつついてくる。コストパフォーマンス良いと思うな。 しかし,この電車よく揺れる。車掌さんの話では,30年前の電車らしい。呼び鈴がまだ紐の形式だ。車両の前から後ろまで1本の紐が渡してあって,それを引っ張ると鈴が鳴る…って別に降りないから鳴らさなくてもいいんだけど。 さて,揺れてバランスを崩しそうになったときに,やってしまいました。出入り口の上にあった非常ベルの取っ手をとっさにつかんでひっぱちゃったんですね。中央駅から少し南に下った“平和橋”の上で緊急停車。…運転手が鍵を持って乗り込んできて,ロックを外して出発。笑いが起こった一幕でした(笑いですんでよかったし,笑いがとれてよかったのでした。) | リンゴ酒列車 台所を手伝うC聡 |
プリンツ・ゲオルグ庭園 |
<7月23日(月)>
ダルムシュタットという町がフランクフルトの近郊にある。そこの「最古の公園」というところに出かけた。目的地はそのなかのプリンツ・ゲオルグ庭園。駅から3番のトラムに乗ることになっていたのに,駅には5番しかいない。結局,歩いて公園まで行った。庭園はその中の仕切られた区画にある。花畑が実に綺麗につくられている。おもしろいのは,花で囲われた花壇の中央が野菜だったこと。ネギとかレタスが栽培されている。ガイドブックのダルムシュタットの項にはあまり出てこないところだけど,近くに行ったら寄ってみる価値ありでした。 そこから20分ほどのところに,世界遺産のロルシュ修道院がある。そこにも足を伸ばした。修道院がで〜んとあるのかと思ったら,小さな建物と門だけ。あとは遺構。町には,昔ながらの木組みの家があったりして,なかなかよかった |
ゲオルグ庭園のゲートにはライオンがいた ロルシュの遺構(あれ,これだけ…?) |
ロルシュの町の木組みの家 庭の井戸 ちょっと遊んでみました |
<7月24日(火)>
DBカードが来た。ようやく届いたかと思ってみたら,宛名が“Haruo”。おかしいぞと思って開けたら,中身も僕の。なんでやねん。この前,かみさんのテンポラリーカードを見ながら電話してたやんか。…というわけで,午後クレームをつけに行った。するとまた,「このテンポラリーカードは3ヶ月有効だから待て」とおっしゃる。そういうわけにはいかんだろ。「だからぁ,かみさんのと僕のがまちがってきてん」と説明しようとするもの,相手もなぜか説明させまいと「期限が,期限が」などと言っている。しょうがないので,僕のバーンカードを2枚見せて,「これが今日届いたやつで,本当はかみさんのがくるはずやってん」と主張。ようやく事態が飲み込めたらしく,電話をしにいってくれた。電話がなぜが10分ほどかかる。最後には,笑いながら戻ってきて,「7〜10日で届くよ」ってさ。まったくもう。 夕方歩きに行ったときに,池でカモの写真を撮っていたら,ベンチにすわっていたおじさんが「あっちのほうにひながいるよ。真っ黒の。」と教えてくれた。行ってみたら,カモではなさそうなのだけど,確かにいる。親鳥がひなに水上で餌をやっていた。ほほえましい。 いつも歩いている道の上の方にライオンがいるのをかみさんが見つけた。下ばかり見て歩いていてはいけない。 |
ドイツバーンカードが2枚 |
グリューネブルグ公園にいたひな鳥 “Ganz Schwarz!” |
通勤路のライオン いつも見下ろされていたのだ |
両替 ユーロ高い! |
スーパー(Rewe)で買い物 |
水の芸術の水路 ここを水が流れていくんだ 最上段の噴水が出た 階段状の水路に水膜ができる |
<7月25日(水)>
朝の電車でカッセルに向かった。ここにはウィルヘルムスヘーエ城という城があって公園がある。丘陵地に造られた公園だ。丘陵のほぼ頂上のあたりにヘラクレス像があって,そこから水を流して最後には58mの噴水をあげるという「水の芸術」というイベントが,夏場の水曜日と日曜日にやっている。これを見に行った。もう一つは18世紀に建てられたのだけど中世風に造られた城。 ドイツ鉄道のサイトでヘラクレスまでの経路を調べると,カッセルの手前のウィルヘルムスヘーエ駅からトラム3番に乗って,終点からバスに乗り換えることになっている。それにしたがって,動く。イベントは2時半からなのに,1時ごろにヘラクレス像に着いた。本当は,途中で降りてレーベンブルグ城を見たかったのだけど,どこで降りていいかわからないまま,いつのまにか通り過ぎた。さて,ヘラクレス像なのだけど,みごとに工事中でまわりを囲われていた。片鱗も見えず。 レーベンブルグ城で時間をとるはずだったのにスキップしちゃっったので,たっぷり時間がある。カフェでゆっくり昼食をとった。そしてとうとう2時半がやってきた。 ヘラクレス像の足下に噴水があって,そこから水が吹き上がり始める。それと同時に,まわりの水路からも水が流れてくる。水が地下の水路を通って階段状の水路に流れていく。階段から階段におちるところでは,透明な水膜ができる。これはなかなかの技術なんだそうだ。水の流れはそんなに速くないので,ゆっくり写真を撮ったりしながら下れる。中には水が来る直前の水路を歩いている人たちも居る。 階段の下には瀧があって,そこに落ちる水がラッパをならす。ラッパは牧神たちが持っていることになっているけど,本当はどこで鳴っているのだろう。このあたりになると,水流の勢いも増している。 ところどころに人垣ができているので,見所がわかる。そこには何かある。少し降りると,「悪魔の橋」のところの瀧に出た。そこで水が来るのを待つ。思っていたよりも遅く大量の水が降ってきた。なかなかの迫力だった。…思っていたより遅かったのは,どうやら1つ見所をショートカットして飛ばしてしまったかららしい。後でチェックしてみたら,6月にはそこが工事中で水が流れなかったと書いてあったので,まあよしとしよう。 そこからしばらくはなだらかな川。その先は石でできた水路になっている。途中から水路をはずれて道の傾斜の方がきつくなる。したがって,水路の橋が上に見えるようになっていく。そして,最後はその水路の橋から水が瀧となって落ちるしかけだ。よくできている。 そして最後は,ウィルヘルムスヘーエ城の前の大きな池。僕らは城からみたら対岸にある音楽堂から見ていた。すると,池の中央から出るだろうと思っていた噴水が,いきなり目の前から噴出。びっくりした。すごい迫力。ともかく大満足の1時間のイベントだった。 ウィリアムスヘーエ城からは,1番のトラムが起点の駅まで出ている。レーベンブルグ城に行きたければ,どうやらこれでまずここに来て,そこから1時間ほどかけて登るらしい。その途中にレーベンブルグ城を見て,2時半のイベントに参加するというのが正しいコースのようだった。後の祭りだけど,水の芸術そのものは,とてもわくわくするイベントだった。 |
瀧と噴水と牧神 |
段状の水路を水が流れていく |
水路をしたからながめる ヘラクレス像は全身包帯 |
悪魔の橋の瀧 |
中世風水道の橋 瀧になって落ちてくる 噴き上がる噴水 高さは58mだそうだ |
噴水の吹き出し口が目の前だった 来た甲斐がありました! |
ウィルヘルムスヘーエ城を守るライオン |
このライオンはつがいだった (雌雄ではなく対という意味ね) |
フランクフルトに帰ると6時。豊中のご近所さん親子が来ていて,かみさんが迎えに行っていた。中央駅で落ち合って,市内散策のあと,レーマー広場で夕食。フランクフルトのローカルチーズという見た目ふろふき大根のようなものを食べた。噛んだときにはなんだかわからず,あとからチーズの香りがしてくる代物。 <7月26日(木)> かみさん,C聡,S浜さんたちは,ローテンブルグに遠足に出かけた。見送った後原稿書き。教育テレビのマルチメディア対応の考え方や歴史についてまとめた。昔つくった研究報告書に目を通して,その時に一緒に書いた人たちの論をあらためて読む。まとめる気になって読むと,そのとき見えなかったものが見えてきたりする。おもしろいものだ。ときどき意識をなくしながらも,だいぶ進んだ。 昼過ぎにKopp氏から電話があった。長いこと会ってないけど大丈夫か?とのこと。微妙ですね。Dipfに行っても机がなくなっちゃったし…。今週はいろいろあって行けないし,来週からメルボルンなので,また帰ったら連絡するということになった。帰ったらすぐプレゼンだ。準備もそろそろはじめなきゃ。 遠足組がそろそろ帰るかな…というような時間に,電話があってだいぶ遅れるとのこと。その後ヴュルツブルグからメールが来た。フランクフルトへの到着は9時過ぎになるらしい。チョコレートなどでつなぎながら,9時に迎えに行った。みんなで食事かなと思っていたらそのまま帰宅。どうやらメールの下のほうに,先に食事をしといてねということが書いてあったらしい。でも,かみさんたちもまともな夕食は摂っていなかったらしい。みんなで素麺をゆでて食べた。う〜ん,夏っぽい。 <7月27日(金)> 今日も僕以外は遠足。ケルンに行った。 昨日と同じで原稿書き。マルチメディア対応の核はインタラクションなのだけど,それを表す図をいろいろつくってみた。図にしてみることで,その変遷がつながって見えてきたりして,これもおもしろい。ただ,いろいろ試行錯誤するのには時間がかかる。そう,在外ではこういう時間がとれるのでありがたい。 ケルン組は,早めに帰ることになっていたけど,なかなか連絡が来ず。みんなが家に着いたのはもう7時過ぎ。それからお茶をして,近くのイタリアンレストランに行った。 今日最大の出来事は,ドイツ鉄道からの封筒。とうとうかみさんのドイツバーン・カードが届いた。このために6回中央駅に行ったのだ! |
後ろから撮ってみました 狛犬とちがって,作者とか年代とかはなし |
ニュルンベルグ経由でミュンヘンに向かう 2等の真ん中,テーブル席が空いていた ラッキー! |
<7月28日(土)>
今日からかみさんたちはミュンヘンに。C聡はかみさんと「ニュルンベルグのマイスタージンガー」を見に行く。その前にミュンヘン,ザルツブルグ,ツークシュピッツなどを観光する予定だそうだ。行きたかったのだけど,31日中にはメルボルンに着かないといけないので断念した。 メルボルンは遠い。一度東南アジアなどを経由して南下する。今回はシンガポール経由。今のところ31日の深夜…というより1日の早朝4時にメルボルン着の予定。これを,搭乗時かあるいはチャンギで1本早くできれば,31日の夜に着く。他のメンバーは31日の朝から昼にはもう着いているので,なんとか繰り上げたいところだ。そのためにも,荷物をコンパクトにしようと思ってパッキングをはじめた。でもねぇ,相手は冬の国だからねぇ…。 |