Frankfurt生活18週目

<8月5日(日)>

腰の痛みは本格的。明日はまたケリー小学校に行かなければならないので,なんとかそれまでには動けるようなりたいものだ。いくつか行こうと思っていたところもあったのだけど,今日は無理。

今日でI井先生は帰国する。彼の部屋には,シャワーもトイレもテレビもついているので,チェックアウトに合わせてフロントでそっちに移動できるように頼む。2時のチェックイン時間が来たら,移れることになった。ありがたい。I井先生たちは,深夜の便。それまで,まだあちこち観光されるようだ。初日と今日しか観光の時間はないものね。せめて1週間ぐらいの予定でこられないと,交通費などとのバランスが悪くなる。現職の教員の忙しいのも考えものだ。

昼ご飯をN田さんに買ってきてもらった。Subwayのサンドイッチ。ゼミ生をはじめ,いろんな人に迷惑をかける。すみません…。こんな時もあるのだろう。


<8月6日(月)>

1ブロック目の授業に間に合うように,早くから出発。まずは6年生の授業。一休さんの紙芝居を1つして,2つ目は途中で止める。そして,グループで結末を考えさせるというもの。子供が話してくれた結末を,ちゃんと聞き取れるかどうかが問題だ。なので,それを書いてもらう用紙を用意する。こういう時に絵が描ける才能が役に立つ。このワークシートは,担任の先生にも好評だった。

2年生の授業のテーマは折り紙。しょうじ,和傘,うちわを日本文化を象徴するものを紹介して,共通点の「紙」に注目させる。それから紙を使った文化の例として,折り紙につなげるという展開。折り紙は,グループに分かれて実際に体験させる。例年通り,マジックシップ(帆掛け船)は大成功。その後,うちわに自分の名前のひらがな表記(当て字ね)を筆ペンで書く活動。これも成功。名前を日本語で書くのはとても人気がある。

オーストラリアのツアーをはじめて5年目になる。授業の提供は3年目。もちろん相当無理がある。日本にいる間に,リハーサルができるのであればまたちがうのだけど,なかなか参加メンバーが固まらないし,今年は全くゼミもできなかった。それでも,やる意味は大きいと思う。海外で授業をするとなると,英語の勉強かと思うだろうけど,本当はそれが問題なのではない。そんなことで英語がうまくなったりはしない。言葉を超えてコミュニケーションをとる方法を考えたり,コミュニケーションをする気持ちの大事さを感じてもらうことが大きな狙い。さて,それを感じてくれたかな。だとすれば,このツアーは成功だ。

夜は,ホテルの食堂(レストランとは言えないなぁ)で,打ち上げ。朝の顔と,授業後の顔が面白いほど違っている。みなさん,よくできました。

授業提供
6年生の授業
テーマは紙芝居


授業提供
一休さんのお話を演じる

授業提供
グループで結末を創ってもらう

授業提供
2年生の授業
テーマは折り紙
授業提供
後半はうちわに自分の名前を筆ペンで書く活動

市内一周無料のシティリンク
市内一周無料のシティリンク

メルボルン市場
メルボルン市場
<8月7日(水)>

今日は予備日だったためオフ。腰の調子もだいぶ回復したので,10時半頃から市の中心部の周囲を無料で一周するバスにH田先生と乗った。シティリンクという。少し古いタイプの路面電車をこれに使っている。風情があっていい。1周を少しすぎてフリンダース駅に着いたところで下車。セントポール教会に行って,昨年時間切れで買い損なった石の飾りを購入。昼食をとって,ビクトリアマーケットに行ってみた。

マーケットには,生鮮食料品,青果,衣服,みやげ物など,たくさんの面白いものがある。とても広い。りんごを1つずつ買ってかじりながらマーケットをぐるっと回る。同じものを扱う店が何種類も出ているけど,商品の色艶もディスプレイもよくて買いたくなる店は限られている。なのに,すべての店が商売を続けられるのはなぜなんだろう。


<8月8日(木)>

午前中にメルボルン空港に到着。再度,informationで失せものが届いていないか確認するも,やはり届けなし。 まあ,そうだろうなぁ。

早く来すぎてやたら待ち時間が長い。チェックインの時間が来るまで,N田さんと荷物番をしながら(これが大事!)買い物と食事。

シンガポールまでのフライトは7時間。長い。オーストラリアは大陸だ。

シンガポールに着いたのは9時頃。まずインフォメーションで落とし物を捜してもらう。ここでもない。やっぱりね。乗り継ぎは約2時間だったのだけど,少し遅れて出発。さあ,帰れる。

シンガポール空港
夜でもにぎわうシンガポール空港

マイン川のかも
マイン川に中州がある
そこにはたくさんのカモや白鳥が棲んでいる
見ていてあきない

<8月9日(木)>

早朝にフランクフルトに到着。再入国は待ち時間無し。スムーズに帰れた。心底ほっとした。

留守中に,実家の家族が来ていた。昨日ローテンブルグからフランクフルトに移動したそうだ。ローテンブルグは大雨だったらしい。フランクフルトも天気は良くない。

午前中は市内観光をしてもらって,午後待ち合わせ。昼食を一緒にとって,マイン川沿いを散歩しつつ,いろいろ案内。市場で野菜などを購入。自宅できのこのサラダ,ラタトゥユなどををつくってみんなで晩餐。

夜はラップトップの調整に没頭。フランクフルトには,4月はじめの時のシステムバックアップと,7月20日の文書バックアップがある。それに使っていない200MBハードディスク。3月にクラッシュさせた経験が効いていて,とりあえずなんとかなる環境はもってきていた。よかった。


<8月10日(金)>

日帰りでハイデルベルグ。天気は相変わらず雨模様。哲学の道から行こうと話していたけど,雨だと危険だということなので,中止。商店街を抜けて城まで向かう。途中にあったPerkeoというレストランで昼食。ここは大当たり。とてもおいしかった。

ハイデルベルグ城は,7〜8年ぶり。たいした昔じゃないのに,記憶は抜けるものだ。巨大な樽の部屋など,忘れていた。城からの町の風景は,とても綺麗だ。城って,壊れているのと残っているのとどちらがいいのだろう。壊れていることによって,歴史に思いを馳せられるということもある。

帰り道に「ドイツ包装博物館」というマイナーなミュージアムに寄る。これがとてもおもしろかった。どこからどうやって来たのかはわからないという,タイタニック号関連のシガレットケースが,最も高価なものだそうだ。その他,いろいろ知っている商品のパッケージの変遷や,ノベルティなどが展示されている。予定より長く居るはめになった。昔のノベルティが買えるのにはびっくりした。たいした価格ではない。

もう1つの収穫は,Firewireケーブルが手に入ったkと。大手のメディア店ではなくKaufhofで。売り場を見つけてくれたかみさんに感謝。帰宅後,朝までかけて(寝てる間にコピーしがすんだってことだけど)システムも文書も揃った。失った10日分と,仕事ができなかった10日分をこれから修復だ。これは,自動では無理。なくした写真などのDataも惜しい。でも仕方ない。

ワイン樽
ハイデルベルグ城の巨大なワイン樽

ハイデルベルグの町
ハイデルベルグの町

ライン川沿いの城
ライン川下りでは
次々城が現れる
ワイン飲んだり食事したりしている場合ではない
思っていたよりずっと面白かった


ケルンの大制度
ケルンの大聖堂の前で

<8月11日(土)>

週末。大手を振って観光。リューデスハイムまで電車で行って,そこからライン川下りに乗った。初めての経験。のんびりした船旅だと想像していたら,全然ちがった。次々に城が現れる。解説を聞いて写真をとってしていると,あっというまにザンクト・ゴーゼンに到着。ここで下車。

日本の外遊シーズンが始まったことを実感する。まわりを見ると,日本人ばかり。そして,ほとんどが同じ所で下船した。そこに観光バスが待っているという仕組み。効率的な観光システムだ。

バスを横目に駅に歩いた。駅舎はなかなか風情があって,これはこれでとてもいい。ローカル電車でコブレンツまで行って,そこからICでケルンに移動。目的地はもちろんケルンの大聖堂。何度見ても圧倒される。内部をゆっくり見て,外を回って,ライン川沿いのカフェでお茶。ゆったりした時間を過ごせた。帰りはICEで1時間。6時間かけて行って,1時間で戻る不思議な旅だった。

家族は明日で帰国。その前にマインタワーに上って,フランクフルトの全景を鳥瞰した。うちのアパートや,中央駅,空港,いろいろ歩いたところなどを復習する。先にあちこち行ってから,ここに登るととてもおもしろい。

夜は,ザクセンハウゼンのドイツ料理店で最後のドイツ料理とアップルワイン。いつもと同じシュバインハクセ(豚の焼いたの)が,いつもよりおいしく感じられた。バイエルンの白ソーセージも食べてもらえた。歩き疲れたかもしれない母にとって良い旅だったのならいいな。この旅を企画した姉,留守中からずっとアテンドしてくれたかみさんにも感謝。


※メルボルンの写真を今回の参加者に提供していただいています。感謝。
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