Frankfurt生活9週目

<6月3日(日)>

何もない1日。文献調べなどで1日終わる。なんとなく雨模様。ただ不思議と夕方ウォーキングに行こうかなと思う時間になると止むようにできている。というわけで今日の外出はウォーキングのみ。いつもすれ違う顔ぶれを少し覚えてきた。出合わなかったら,どうしてるかななどと思ってしまう。

こちらで書くつもりの論文の形がなんとなくまとまってきたかも知れない。こちらでは手に入らないものがいろいろあって,それをメールで送ってもらったりする。協力いただいている日本のみなさまに感謝。結構手間のかかるものもお願いしている。申し訳ないとは思っています。


<6月4日(月)>

先週の金曜日,突然部屋のドアを開けて,「ディスプレイを交換するか?」という。ラップトップしか使っていないので意味がわからず(変わらないよね),しばらく呆然としていると,「TFTディスプレイは要るか」と聞き直された。なるほど,部屋に2つあるコンピュータのディスプレイを変えるわけね。そういえば,図書館のブラウン管のディスプレイが大量に廊下に放り出されていた。

しかしですねぇ。2つとも自分のパソコンではないので,わからないんですよ。それでその旨伝えると,彼は出て行った。ところがしばらくしたら,今度は2人連れでいきなり入ってきて,入り口に近いパソコンのディスプレイを乱暴に引っぱがして出て行った。

当然しばらくしたらTFTが来るのだろうと思っていたら,その後音沙汰亡し。

そして今日,来てみたらディスプレイがなかった。このパソコン,時々やってくる女性が使ってるんだけどなぁ。どうなるんだろう。1〜2日で入ればいいけど。

ペットボトル回収
ReweのPET容器回収装置
瓶や堅くて小さいPETボトル用と大きなPETボトル用のがある
こちらのPETボトルや瓶には購入時にデポジットがかかっている
あとで回収にもっていくと現金がもらえる


ペットボトル回収
回収口にラベルにあるバーコードを上向けておくと
中のドラムが回って回収される
デポジットが1つ0.25ユーロなので
6本入りの水だと1.5ユーロになる
小さな水だとデポジットの方が高かったりする

数学の順位
PISA2003での数学の順位
ドイツは16位でOECDの平均と同じぐらい
平均が約500ポイント


校種別数学の順位
校種別の数学の成績
ギムナジウムは平均でさすがに600を越える
しかし主幹学校を除いて2000年より
成績が上がって分散も小さくなっている
<6月5日(火)>

DIPFは,実はある国際調査では重要な役割を担っている。そのための部署ができていて,10名近いメンバーがそのための仕事をしている。プログラミングの専門家,テスト理論の専門家,両方を知っていて間をつなぐ役割(ここが一番大事らしい),それに現場とテストをつなぐ役割(つまり学習内容についての専門家)と4つの層にわかれて担当者が集められている。

その中心人物の一人とディスカッションをした。電子テキストを読んで理解する力を測定するという話。しばらく前から検索にも引っかかっているし,僕自身も講演などで話をしてきた件だ。彼は,それについての成人学力を測定する仕組みを研究している。モントリオールで開催されたEd-Media2005では発表論文も出ている。この仕組みを国際調査に持ち込む予定らしい。

その後,何人か担当者を紹介されて,システムも見せてもらえることになった。でも,同時にconfidentinalのフォームにサインをさせられた。…あたりまえですね。知ったことの詳細については,したがって話せなくなってしまったのでした。

金沢大学の元同僚の名前が先方からあがったのでびっくりした。意外なところに関係者がいる。


散髪に行った。こちらに来てほぼ2ヶ月なので,それなりにうっとうしくなってきていた。安いところは10ユーロから,町中の普通の散髪屋だと30ユーロ弱から。日本円に直すと,ほぼ同じ水準か。当然,安い方がありがたいので行ってみると,とても混んでいる。待つのも嫌なので,近所の散髪屋に行くと,こちらは待っている人はいなかったのだけど,予約が混んでいた。夕方の枠がかろうじて空いていたので,そこを予約。

基本的にどうでもいいので,とりあえず2cm切ってとお願いする。それなりに手早く,30分で仕上がり。カットした後の洗髪はなし。刷毛ではらっておしまい。なので,風呂に入るまでチクチクする感じが続く。これを考えると,日本よりこちらの方が割高だ。

そういえば,しばらく続いていた雨が,今日ようやくあがった。ウォーキングが久しぶりに気持ちよかった。


<6月6日(水)>

午前中,DIPFに行って,ICTリテラシーがらみのテスト問題を作成している人とディスカッション。とてもおもしろかった。でもナイショ。

彼はオーストラリアの責任者と連絡をとりながら,テスト問題とその採点のプログラムを作っている。この仕事は,インターナショナルなのだ。

さて,件のTFTディスプレイ。これはまずいぞ…と思って,いろいろ秘書的なことをやっているらしい人に連絡したら,テクニカル部門に連絡するということで,ひとまず安心…と思った矢先,これを使ってる女性がやってきた。さあたいへん。事情を説明したものの,どうなっているのかはさっぱりわからない。時間切れで,さっさとDIPFを出てきてしまったけど…。


10日ほど帰国していたかみさんが再来独。空港まで迎えに行く。ばたばた出国してきたために持ってきそこなったもの,こちらに来てみて必要だと思ったものなど,いろいろ頼んであったものが詰まったトランクが重かった。そのうちいくらかは資料。

資料は最近かなりオンライン化されているのだけど,日本語のもののオンライン化はかなり遅れている。海外にいるとかなり不便だと思う。あ〜,日本にいてもそうかもしれない。学会誌論文などは,無料であれ有料であれ,オンラインで読めるというのはどんなにありがたいことか。アメリカ教育学会(AERA)は,JSTOR(学術論文をアーカイブする非営利団体)に資料整理を任せているのではないかと思う。過去の論文は,学会に入会すれば講読できる。アメリカコンピュータ教育学会(AACE)は,自前でデータベースを作っている。

わが教育工学会(JSET)にはその構想はあるけど,まだ実現には至っていないようだ。教育メディア学会については,構想すらないように思える。

例のFressgass祭りが今日までなので,かみさんと夕食を食べに出た。そして…前回手が出そうになったフラムクーヘンとヴァイツェンビール。まあ,予想どおりの味ですね。たまねぎ,ねぎ,ベーコン,チーズを薄生地のピザにのせてかりっと焼き上げたもの。かみさんは,イチゴのパンチのようなものを飲んでいた。そこら中の店で売っている。スパークリングワインにイチゴジュースをまぜて,カットしたイチゴを浮かせてある。少し甘くてうまい。この季節だけの飲み物なのだろう。

読解リテラシー
読解リテラシーについては19位
校種別には数学と同じく
ギムナジウムが断トツ
ただ2000年に比べて分散は変わっていない


フラムクーヘン
フラムクーヘンをいただきました
もちろんビールも

読解リテラシー
問題解決能力は13位
このテストで2006年にICTリテラシーを
測定することになっていたけど
日本を含む多くの国が環境不足でリタイアした
2009年に向けていろいろ準備が進んでいる

<6月7日(木)>

今日は,「聖体節」で祝日。カソリックで一番大事な祝日だと何かに書いてあった。ミサが行われていたり,それなりのイベントをやっている所もあるらしいのだけど,結局1日外に出ずに暮らす。

かみさんが日本から持ってきた小説を1日で読んでしまった。そういえば,小説なるものを読むのは久しぶりだ。日本にいても,そんな時間はなかった。


<6月8日(金)>

DIPFの部屋に行ってみたら,あいかわらずディスプレイがなかった。どうなったんだろう?


<6月9日(土)>

例の土曜市に今日は買い物に。ここにはたくさん野菜を売る店が出る。個数で買えて,結構いいものが安いので繁盛している。じゃがいもとにんじんを買って帰る。めあてはグーラシュ用の白にんじんだったのだけど,どうやら季節が終わったらしく,もう売っていなかった。

夜,どこかで盛大に花火が上がっていた。そういえば,昨日の帰り,Alte Operの前のフランクフルト広場に大きなステージを組んでいた。夕方あたりから遠くで音楽が鳴っていたりしたのもこれだろう。さて,何のイベントだったのか。こちらは夜が更けるのが遅いので(今,日の入りは9時ごろ),花火もおそーい時間にあがることになる。帰宅してしまってたら,見に行きたくても後の祭り。


・前の週へ次の週へ