12月20日(木)〜26日(水)

<12月20日(木)>

ダイニングの花,水をあげなきゃ,と思って花瓶を持ってびっくりした。造花だった。見てわからんか,という話もあるが,造花にしては,葉っぱとか茎の形とか整ってない。その雑な感じが,いかにも本物っぽかったんだな。

スケートリンクを通ってみると,貸し切りで授業をやっていた。小学校の1クラスだろう。授業で滑るとなると,いつもは勝手勝手にすべっているリンクの上に課題が設定される。氷の上に,プラスチックのしるしを置いて,それを周りながら滑るという課題のようだった。リンクも狭いし,どれぐらい意味があるのかわからない課題だけど,やはり何かを学ばせようとすると,目標を明確に持たせるのが重要。授業というのは面白い物だ,とあらためて思った。

写真をとる準備をしているうちに,置いてあったしるしを回収し始めた。それがこの写真。授業の終わりだったのかな。ぎりぎり写真に撮れた。

その後,もう一度別の授業をやっているのを観たけど,その時の課題は,アイスアリーナの反対側にしるしを置いて,それをまわって帰ってくるという課題。滑れる子にはとても簡単。でも小さく回れない子にとっては結構大変。壁に激突して向きを変えたりしてた。

スケートリンクの授業
スケートリンクでの授業

★重大ニュース★ 市役所の外国人登録課でビザのカードをもらった。1週間ほど前に,ベルリンからビザの延長が認められた旨の通知をもらった。EU圏のビザは,今はカードになっている。カードが市役所に届いているので,取りに行けという指示だった。もらったカードは,見えるように貼り付けられた顔写真のほかに,ホログラムの顔写真が表と裏の両面に入っている。なかなか立派なカードだ。強制送還はなくなった。

クリスマスパーティ
エアランゲン大学での
クリスマスパーティ
大学の授業が3クラス合同のクリスマスパーティとなった。プロジェクターで「きよしこの夜」を流してみんなで歌う。コーラなどの飲み物とレープクーヘン,クッキーだけの簡素なもの。あまり話したことがなかった人たちとしゃべれて楽しかった。

きよしこの夜のオリジナルはオーストリアのOberndorfという村でつくられたらしい。原語はドイツ語。Stille Nachtという。英語のSilent Nightと同じ。

これでしばらくクリスマス休みに入る。


<12月21日(金)>

一緒に買い物に行っていたのだけど,帰宅してしばらく後,かみさんの驚いた声でこちらもびっくり。レンジフードのファンを回そうとしたら,みなれぬレンジフードが!出かけている間に壊れていたレンジフードが交換されたらしい。まったく予告もなく,工事の痕跡もなく,ただ新しいものに入れ替わっていた。手元が明るくなってばっちり!

出かけるときに,工事の車が駐車場にとまっていて,すでに作業がはじまっているらしく,古くなったレンジが置いてあった。少し前に,ものすごく焦げた臭いがアパートに充満していたので,それの交換だろうと思っていたら,まさか自分の所も工事対象になっていたとは知らなかった。

夜,日本からエアランゲン大学に来ていて,同じアパートに入っているY本先生が来られた。お酒(富山の方たちにいただいた菊姫)を飲みながら,いろいろ情報交換ができた…というか教えてもらった。もう21ヶ月もここにおられるので,ずいぶん詳しい。入ったことの無かった路地にあるお店の話とか,生魚を手に入れられる場所とか,ありがたい知識をたくさん得た。楽しくて,日が変わるまで飲んでしまった。たぶん,くだらん話をたくさんしたと思われる…いつも通り。

新子レンジフード
新しいレンジフード
換気扇を回そうとしてスイッチを見てびっくりしたらしい
見慣れぬものが…!

そして,交換されたレンジがY本先生の所のだったことと,雪だるまもかまくらもY本先生がお子さんたちと作られたということが判明。金沢に引っ越したときに,はじめて振った大雪の日,子どものために隣の公園に大きな滑り台を作ったのを思い出した。子どものおかげで,自分も遊べる。
12月22日(土)

ソーセージ屋
ソーセージ屋
この丸い網で焼いているのがたまらない。
あたり一面に香ばしい香りが充満する。
焼けてお客さんに渡せるようになったものから
真ん中のトレイの中に入れていく。
お客さんが来ると,
そこからとって丸いパン(ブロッチェン)にはさんで渡す。


からし
おしゃれな辛子とケチャップのサーバー
庇の下のレバーを押すと
真ん中から突き出たパイプから出る。
手前の黄色いのが辛子で
向こうの赤いのが(見にくいけど)ケチャップ。
奥にある木のかたまりは,向こうを向いたフクロウ。
どこのクリスマスマーケットにも,ソーセージ屋がある。ソーセージは,回転する網の上で焼く。炭火焼きの香ばしい香りが漂う。頼むとパンにはさんで渡してくれる。自分で,辛子(ゼンフという)とケチャップを好きなだけかけて食べる。寒い日には,ものすごくおいしそうに見える。そして,食べたらやっぱり申し分なくおいしい。
12月23日(日)

ミュンヘンのイングリッシュガーデンの中に中国塔がある。その周りにもクリスマスマーケットが出る。中国塔とクリスマスツリーが重なった写真が綺麗だということで,見に行ってみた。着いたのが早くて,灯りが点くずっと前。でも,逆に人混みもなくて,店を一つずつゆっくり見ることができた。

おそらく,常設だろうけどメリーゴーラウンドの小屋があった。これがとてもレトロ。まさに木馬,という感じの素敵なメリーゴーラウンドだった。乗りたくなった。

Chinese Tower
Chinesische Turm(中国塔)
メリーゴーラウンドr
メリーゴーラウンド

「おばあちゃんのおはなし館」というのがあった。中を見ると,ソファーとかクッションが置いてあって,赤い服のおばあちゃんが居る。子どもたちが入って,おはなしを聞かせてもらう所だ。時間割があって,白雪姫とかのおなじみのお話がならんでいる。

横には,「おじいちゃんのクラフト館」というのもあった。中は,木製の工作場。子どもたちが,かなづちを持って,なにやら作っている。そして,白髪白髭のおじいさんが手伝ってあげている。

おばあちゃんのお話館
おばあちゃんの歴史小屋
(おばあちゃんのお話館)
おじいちゃんのクラフト館
おじいちゃんのクラフト館

どちらの小屋も小さくて,一度に入れる子どもは10名にも満たないのだろうけど,とても粋な小屋だと思った。人が殺到するイベントだと,これは無理かな。あちこちにマーケットがあって,適度に混んでると,こんなこともできるのだろうと思った。

日が暮れたころから,中国塔の2階部分でブラスアンサンブルの演奏が始まった。楽しませてくれるなぁ。そして,夕暮れの空の色に,クリスマスツリーの灯り,それに中国塔の電灯,それがブラスに反射する光,などがまじって,とても綺麗に見えた。

帰りは,直通電車の待ち時間の短さを優先して,2時間かかるICで帰った。なつかしい電車だ。頻繁にドイツに来始めた16年前によく乗っていた電車だ。今ではそれがICEというモダンな特急に変わっている。かなり通っているように思ったけど,まだ16年しか経っていないのか…ということと,逆にたった16年で,電車も変わるんだなということを同時に思った。

中国塔の夜景
中国塔とツリーの夜景


12月24日(月)

ドイツで迎える初めてのクリスマスイブ。今日の午後(14時ごろ)から26日までお店が閉まる。レストランもやらないところが多い。なので,午前中に買い出しに行かなければならない。朝食後,買い物に行ってみると,やはり買いだめで人はいつもより多めか。

6本セットの炭酸水を手に持って歩いていたら,落としてしまった。そしたら,セットにしてあったビニールが破けて転がりだした。えらいこっちゃでしたわ。ワゴンを押してるのに助けてくれる女性もいたのだけど,6本ばらけたら2本の手では足りない。どうしようと思っていた所に,たまたまY本先生家族が通りかかった。ほんまに助かった。…しかしまあ,情けない話だ。

その後,なんとなく年末気分で,掃除をしたりゴミ出しをしたり。ここのアパートも,そういう人が多いらしく,ゴミの収集所がいっぱいになっていた。そして,トランクを押して出て行く人がいたり,いつもは停まっている車がほとんどいなくなったりで,住人も減ることが分かった。

夜,クリスマスイブが静まりかえるという街に出てみた。まだ6時頃なのに,本当に,人がほとんどいない。いつもこの時間は買い物客や帰宅の人々がたくさん通るハウプトシュトラッセなのに,歩いて入る人もいなければ,通るバスに乗っている人もほとんどいない。…と思ったら,いきなり凄い人だかりに出会った。三位一体教会の前。ちょうどクリスマスミサが終わったようだ。そう言えば,4時少し前に,鐘の音が鳴っていた。あれが,ミサがはじまりますよ〜の合図だったのかも知れない。

そのまま,クリスマスマーケットの方まで歩いてみた。三位一体教会を過ぎたらまた人影がまばら。マーケットにも人はいない。これであの賑わいを見られなくなるのか,と思うと,寂しい気がする。

日が暮れるのが早いし,このところ寒いので,クリスマスマーケットに人が集まって,湯気の出るグリューヴァインを飲んで語り合っている姿を見ると,気持が暖まった。そういう場所が急になくなったら,どんな感じがするのだろう。ドイツの冬は,みんな鬱になるっていう人がいるけど,ほんとに寂しいかもしれない。

ハウプトシュトラッセ
誰もいないハウプトシュトラッセ

塔の上のトランペッター
ユーゲンノット教会の塔で
クリスマスソングを吹くトランペッター
(光る点がトランペット:暗くて遠くて,写真はこれが限度です)


マーケットで耳を澄ますと,トランペットが聞こえてきた。音に誘われて,ユーゲンノット教会(ユグノー教会)の方に行ってみた。ユーゲンノット教会のミサ帰りの人がバス待ちをしていた。そして,トランペットは,教会の一番上の塔から降るように鳴っていた。ソロで,クリスマスソングを次々吹いていた。人々は,一つ終わると拍手。なんだか,不思議なクリスマスを味わうことができた。

通りを歩いて帰ってくると,所々,窓の中で明るく火を灯してテーブルを囲んでいる家があるのに気づいた。みんな,家族でクリスマスの食事をしているのだろう。

うちの夜は,チーズとサラミとオリーブ,リンゴでワイン。ケーキも七面鳥も用意しなかった。チーズは,この前見つけたチーズ屋さん(Kaese Ecke)とクリスマスマーケットの出店で買った物。そして,いつもより多めにロウソクなど点けてみた。500円もしないオーストリアのワインだったけど,おいしくいただいた。

夜,10時半頃,11時過ぎにまた鐘が聞こえた。たぶんいつもはこんなに鳴っていないと思う。教会の鐘だけは,今日は賑やかだ…ん〜それは表現がちがうな。静かに遠くて,でもしっかりと鳴っている教会の鐘が,クリスマスイブにしっくりなじむ気がした。静かなイブは,いいなと思った。


<12日25日(火)>

年内〆切りの仕事があって,それの追い込みをしているので,時間がない。ものすごくたくさん調べ物をして,その結果少ししか文章にできないのは,この仕事の常。それにしても,そういう時にインターネットの速度は気になる。悪くはないけど,早くもない。…しかし書くことって,なかなかまとまりませんね。

そんなことであがいている中,大きな論文修正の仕事も舞い込んだ。そのつもりがなかっただけに,どうやって時間を作るか,これから考えないと。こちらの〆切りは2週間先。なんとかしなきゃね。

夜,ブザーが鳴ったので出て見ると,Y本先生のところのお子さんたちが手作りケーキを持ってきてくれた。自分たちで作ったって言っていたのは,上のクリームと飾りのことだね。恥ずかしそうにはしゃいでいた彼らがとてもかわいかった。

クリスマスケーキ
子どもたちが作ってくれた
クリスマスケーキ
とてもおいしくいただきました
ありがとうね!!

サリマライズ
ラジオで鳴ってたサリマライズ
習ったメロディーとちがってたので
とりあえず採譜してみた


<12日26日(水)>

仕事しながらバイエルンラジオ放送を聴いていたら,聞き覚えのある曲が鳴った。神戸高校の卒業生なら全員歌えるサリマライズ(今でもそうかな?)。第二次大戦の時にの帰還兵が,どこかで聞き覚えてきた曲だと聞いたような気がする。たしかオランダ民謡だとか。でも,番組は「世界の音楽」で,南アフリカの特集だった。伴奏はバンドネオンで,イメージしていたしっとりした曲想より,大部賑やかな感じだった。部分的に,習ったメロディーと違っていたので,採譜してみた。

そんな脇道にそれながらも,年内の仕事が片付いた。とりあえずほっとした。

しかし,今回はY本先生ウィークだった。感謝!


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